日本水産学会誌に熟成魚の論文が掲載されました。魚肉の長期熟成に関しては世界で初めて科学的知見を掲載した学術論文になるのではないかと思います(たぶん)。
今回の研究内容は、熟成魚で著名なお寿司屋さんで提供されている寿司種を分析して、通常のものとどのように違うのかを明らかにしたものです。
著者: 南 駿介, 髙取 宗茂, 白山 洸, 沖田 歩樹, 中村 柚咲, 髙橋 希元
日本水産学会オンライン早期公開版2020年8月28日公開
↓↓からダウンロードできます。
どなたでも無料でpdf版をダウンロードして読めます。日本語で書かれていますので、是非どうぞ。
通常は学会誌論文は会員でないと読めないのですが、誰でも無料で日本語で読める、ということを重視し、今回は日本水産学会誌での発表としました。
なお論文にも書きましたが、魚肉の熟成は新しい水産食品として利用できる可能性はありますが、やはり熟成に伴う食中毒のリスクを忘れてはいけません(というか、そもそも本論文は熟成魚の食中毒など安全性について研究したものではありません)。スペシャリストの職人さん方は多くの経験の元に熟成魚を提供されております、本論文は「魚肉は熟成しなきゃダメ!!」と煽るものではないですし、未経験の方が安易に長期熟成をするのは、やはりおすすめできません。
今後、研究が進み広く利用できる技術になることが期待されますが、その前に大きな問題が起これば、それも難しくなります。熟成魚ファンの皆様方には、くれぐれもそこんとこよろしくという感じで、気を付けてご利用いただければとと思います。